マニラへの飲食店出店では、都市・地区ごとの客層を確かめたうえで、運営主体と外資規制、必要な手続き、物件設備を順に確認します。「フィリピンなら同じ条件」と考えず、具体的な事業内容と所在地を現地専門家に伝えて検討します。
「マニラのどこで、誰に届けるか」を絞る
出店調査では、マニラという広い呼び方だけで物件を比較せず、具体的な都市・地区・建物まで落とし込みます。勤務者が昼に使う店、周辺住民が日常的に通う店、夜の外出で選ばれる店では、見るべき時間帯や価格が異なります。
候補地では、競合のメニューだけでなく、来店人数、利用時間、アクセス、入口の見つけやすさを確認します。日本料理への関心があるかと、自店の価格で継続的に利用されるかは別の問題です。周辺で実際に支払われている金額と、自店の提供内容を照らし合わせましょう。
運営主体と外資規制は、物件契約の前に確認する
JETROのフィリピン投資情報では、業種に応じた出資比率の規制や資本金の条件が案内されています。外資規制を「すべて外資100%でよい」「必ず現地との合弁が必要」と一律に説明することはできません。店内飲食、物販など具体的な事業内容の分類と適用条件を確認する必要があります。
想定する出資者、営業内容、酒類や物販の有無、運営方法を一枚にまとめ、現地の法律・会計の専門家へ確認します。JETROのページは制度の概要を知る入り口として利用し、最新の適用条件や必要な手続きは、担当機関と専門家への確認を経て判断してください。

バーや飲食店の物件で確認したいこと
- 予定する飲食・酒類・音楽などの営業を行えるか
- 排気、電気、給排水、空調がメニューに対応できるか
- 施設の図面承認、工事時間、搬入条件はどうなっているか
- 客の来店と帰宅、配達・納品の経路を確保できるか
- 必要な検査・許可と、担当窓口を確認できているか
これは現地確認のための論点であり、許可名称を網羅した一覧ではありません。行政上の手続きと建物側のルールを分け、誰がどちらを確認するかを明確にします。設計の変更が必要な条件ほど、契約前に把握しておくことが重要です。
設計事例「+81」から考える店の個性
engineの公式サイトでは、2025年のマニラの事例として「+81」が公開されています。紹介記事では、バーとクラブの中間という要望に対し、80〜90年代初頭の日本の文化やネオンを取り入れた空間が説明されています。
出店計画で参考になるのは、場所を決めるだけでなく、「何を体験する店か」を設計の軸にする考え方です。入口での期待、店内の明るさ、音、席の選び方を一つのテーマにつなげます。ただし、この事例の設計が別の物件でもそのまま成立するとは限りません。集客数や収益の実績も、公開情報では確認していません。
相談前に用意しておきたい資料
初期相談では、出店したい業態、予定する料理と価格、候補地区、予算、希望時期、現地の協力者の有無をまとめます。物件がある場合は図面、内見写真、貸主からの条件書も添えます。準備段階で未定の項目があること自体は問題ありません。
先に必要なのは、未定の項目を誰が調べるかを決めることです。事業・制度・物件・設計を分けて担当を置き、同じ工程表で確認すれば、調査から出店判断へ進みやすくなります。
よくある質問
フィリピンで外国人だけの会社として飲食店を出せますか?
具体的な事業分類や資本条件などで判断が変わります。一般論だけで出資構成を決めず、予定する営業内容を示して最新の制度と適用条件を現地専門家に確認してください。
マニラの事例と同じようなバーをつくれますか?
参考にすることはできますが、客層や物件条件に合わせて設計します。店のテーマ、酒類・音楽などの営業内容、設備と必要な手続きの確認を先に行います。
参考情報・掲載写真
情報確認日:2026年9月28日。各国の制度や条件は変更される場合があります。具体的な営業内容・所在地に合わせ、現地の担当機関や専門家へ確認してください。
制作:engine JOURNAL



